奄美大島で15歳以上の不登校生などの就労支援に取り組む一般社団法人JIBUNいろ(代表原田さおり)は7日、奄美市名瀬の大追製菓と事業継承の契約を結んだ。
さまざまな理由で進学や就職ができない若者たちに就労機会を提供することが目的。同法人が支援する16歳〜21歳の10人ほどが製造や販売に従事する。
同法人は義務教育を終えた子どもたちが社会に巣立つ前の居場所として、昨年10月に原田代表理事らが設立。これまで賞困世帯の子どもたちに食事や物資を提供する支援事業に取り組んできた経験を生かしながら、若者たちの自立を後押ししている。
大迫製菓は創業63年。黒糖やもち粉を使った「じょうひ餅」が名物の老舗だ。大迫英一さん(85)と妻の正子さん(84)が店を切り盛りしていたが、高齢のため後継者を探していた。2人は「伝統の味を絶やしたくなかった。若い人たちが来てくれて安心している」と話す。
事業継承後、2年間は大迫さん夫妻が商品の作り方などを指導する。店舗は同法人が運営し、オンラインを活用した販路拡大も計画中。店で働く若者たちが製造・販売の経験を通してさまざまなスキルを磨くとともに、将来の就職に役立つ資格取得も目指すことができる環境を整える。
原田代表理事は「若者の就労はもちろん、奄美の伝統の灯を消すことなく次世代につなげることができてうれしい。就労支援として地場産業に取り組むのは全国でも珍しい。今後も新しい挑戦をしていきたい」と語った。
※南海日々新聞社の記事を引用
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